北朝鮮の寧辺核施設:5メガワット原子炉で大規模な活動

フランク・V・パビアン、ジョセフ・S・バミューデス・ジュニア、ジャック・ルーによる38ノース独自分析

3月30日の人工衛星画像によると、北朝鮮は5メガワット原子炉(プルトニウム製造用)の稼働を当面の間停止しているかもしれない。また、冷却水の排出場所付近では大規模な掘削工事が始まっており、これは貯水池を造成するために川をせき止めていることを踏まえると、より安定したかたちで原子炉に冷却水を引き入れるための試みの可能性がある。これによって、将来にわたり、原子炉がより継続的かつ安全に稼動できるようになる。

原子炉では新しいトラックの動きも見られる。目的は不明だが、可能性として整備や改修作業、廃棄物貯蔵施設から放射化学研究所への使用済燃料棒の移動、新しい燃料の搬入などが挙げられる。一見すると原子炉は停止しているように見えるが、(3月30日時点では)放射化学研究所でプルトニウムの再処理が行われている証拠はない。しかし、この動きは今後も注視する必要がある。

研究用軽水炉では、研究所または技術支援用と思われる隣接する建物の建設が続いているが、軽水炉が稼働に近いことを示す明確な兆候はない。

5メガワット原子炉での動き

最近の人工衛星画像では、発電施設から水蒸気の煙が見えないことから、5メガワット原子炉は2月下旬の稼働が確認されて以降、停止しているように見える。さらに、原子炉の冷却水が排出されるエリアでは大規模な工事が進行中で、川の土手に沿って広範な掘削作業が行われている。この工事の目的を判断するのは時期尚早だが、川沿いであることや既存の冷却水の排出場所の近くであることから、原子炉の2次冷却水システムに関連する可能性がある。最近土のダムと排水路によって貯水池が造成されていることを考えると、季節によって川の水量が異なるため冷却システムへの安定した水の供給ができないという以前からの懸念を軽減する結果となるかもしれない。これにより将来は原子炉をより継続的に稼働することができるようになる。(図1と2

図1と2. 5 MWe黒鉛子炉での活動の概要。

さらに、5メガワット原子炉の後方には、普段見られないほど多くの大型車輌が止まっている。(図3)これら車輌の中には、少なくとも3台の大型トラックがあり、そのうちの2台はタンク、シリンダー、または樽が荷台に載っているように見える。防水シートで覆われている移動式クレーンらしきものが近くに置かれている。これら車輌の目的は不明だが、可能性として新しい整備作業、再処理のための使用済燃料棒の貯蔵施設から放射化学研究所への移動、または新しい燃料の輸送などが挙げられる。

図3. 5 MWe黒鉛炉後方での車輌の動きの近接撮影。

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現在、人工衛星画像によると、放射化学研究所での車輌の動きは通常通りで、再処理の準備や進行中の再処理に関連した動きは見られない。もしも再処理が進行中であった場合、受付用の建物に鉄道車輌があったり(特に、前回再処理が疑われた2016年初期に寧辺の主要な車両基地であるPungang-ni付近で見られた特殊な鉄道車輌のようなもの)、実験室に蒸気を送る石炭燃料の火力発電からの煙や、研究所の冷却塔からの水蒸気など、稼働を示す兆候が通常は見られるものである。(図4と5

図4と5. 放射化学実験室で見られる通常通りの動き。

研究用軽水炉での建設作業の継続

軽水炉の真正面に位置する新しい常設の建物の建設作業が初めて確認されて以降、10日間続けて急速に進んでいる。おそらく技術支援用、研究用、または事務所用の建物だと思われる。映像には、大きなクレーンの腕部分が建物の基礎の上につりあがっているように見える。(図6と7

土の貯水池ダムの上流に位置するポンプ室と排水路の近くでも、ポンプ室の川沿い側のエリアから砂利などを除去するための作業が進行中かもしれない。これはタンク(が水の引き入れのため使用されているなら)経由で得られる以上の必要なだけの冷却水を確実にひき入れることができるようにするためか、またはポンプ室が冷却水の排出用として使用される場合は、妨げての無い排水を確保するためである可能性がある。(図8と9)軽水炉は現時点ではまだ稼働しているように見えず、完全な稼働がいつ始まるかも不明。

図6と7. 実験用軽水炉の前方では建設作業が継続。

図8と9. ポンプ室の近接撮影画では、水の引き込み・排水のエリアが一部(砂利など)除去されている。

その他の目立つ違いは、2月25日の人工衛星画像で最初に確認された軍用野営地が撤去されている(図10と11)点だが、野営地がそもそも何の目的で使用されたのかは不明。

図10と11. 軍用野営地は現在撤去されている

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